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「60〜70代でもインプラントできますか?」「年齢制限はあるの?」「骨粗しょう症があっても大丈夫?」――高齢者のインプラント治療についての疑問は多くあります。インプラントは年齢だけで可否が決まるわけではなく、全身状態・骨の量・内服薬などを総合的に判断する必要があります。本記事では、高齢者のインプラント治療の可能性・リスク・注意点について歯科医師が解説します。
インプラント治療に年齢の上限はある?
インプラント治療に明確な「年齢制限(上限)」はありません。ただし、骨の成長が完了している成人(18歳以降が目安)であることが一般的な条件です。実際に70代・80代でインプラントを成功させた事例も多数あります。ただし高齢になるほど、全身疾患・骨の状態・治癒能力などの面での評価が重要になります。
高齢者のインプラントで特に注意すべき全身疾患
骨粗しょう症・ビスフォスフォネート製剤の使用
骨粗しょう症の治療に使われるビスフォスフォネート製剤(アレンドロネート・リセドロネートなど)・抗RANKL抗体製剤(デノスマブ)を使用している場合、インプラント手術後に「顎骨壊死(MRONJ)」が起こるリスクがあります。内服の場合は経静脈投与より低リスクとされますが、必ず担当医・主治医と連携した上で判断します。
糖尿病
糖尿病のHbA1c(血糖コントロールの指標)が高い状態では、創傷治癒の遅延・感染リスクの増大が起こりやすく、骨結合が妨げられる可能性があります。HbA1cが8.0%未満にコントロールされていることが一般的な目安とされています(医師の判断による)。
心疾患・血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)
ワーファリン・バイアスピリン・プラビックスなどの抗凝固薬・抗血小板薬を服用している場合、出血が止まりにくくなるリスクがあります。主治医と連携して休薬・継続・量の調整を検討します。自己判断で休薬することは危険なため、必ず専門医に相談してください。
慢性腎疾患・肝疾患
腎機能・肝機能の低下がある場合、術後の感染コントロール・薬物代謝に影響が出ることがあります。
喫煙
喫煙はインプラント失敗のリスクを大幅に高めます。高齢者でも禁煙できる場合は、術前に禁煙することを強くお勧めします。
高齢者のインプラント:骨の量・質の問題
加齢とともに歯を失った部位の骨(歯槽骨)は吸収(痩せ)が進みます。骨の量・質が不十分な場合は、「骨造成(GBR・サイナスリフト・スプリットクレストなど)」という骨を増やす処置を行ってからインプラントを埋入することがあります。ただし骨造成は治療期間が延長し、負担が増えます。
高齢者に向いた代替選択肢
全身状態・骨の状態・費用などを考慮した場合、以下の選択肢も検討に値します。
- インプラントオーバーデンチャー(IOD):2〜4本のインプラントで入れ歯を固定する方法。少ないインプラント本数で安定した咀嚼が可能
- 精密入れ歯:金属床・吸着義歯などの高品質な自費入れ歯で安定した咀嚼を実現
- ブリッジ:外科処置なしで固定式の補綴
まとめ
「高齢だからインプラントは無理」ではなく、個々の全身状態・口腔状態を丁寧に評価した上で判断することが大切です。まずは専門の歯科医師に相談し、CT・全身状態の評価を受けた上で最適な治療法を選びましょう。
監修・執筆:中田雅昭(歯科医師)/東京都町田市・鶴川の歯科医院副院長。歯学部卒業後、一般歯科・矯正歯科・予防歯科を専門に10年以上の臨床経験を持つ。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個人差があります。インプラント治療を検討される際は専門の歯科医師にご相談ください。

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