📋 本記事は歯科医師による監修記事です
監修:歯科医師 中田 雅昭 / 株式会社Lani 代表
※ 当ブログの記事は、歯科医療の現場経験を持つ歯科医師の監修のもと、最新の情報に基づいて作成されています。
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スポーツや事故・転倒で歯が折れたり、抜けてしまったりしたとき、どう対処すればいいでしょうか?特に「歯が完全に抜けてしまった(脱臼)」場合は、適切な応急処置を素早く行うことで、歯を元に戻せる可能性があります。本記事では、歯の外傷別の緊急対処法を歯科医師が解説します。
歯が完全に抜けた場合(脱臼)
これが最も緊急性の高い状況です。抜けた歯は「保存の仕方」と「受診までの時間」によって、再植(元の場所に戻す)の成功率が大きく変わります。
すぐにやること
- 歯の根の部分(歯根)を触らない:歯根の表面には歯根膜という組織があり、これを傷つけると再植の成功率が下がる
- 水道水で歯を洗わない:水道水の塩素が歯根膜細胞を傷つける
- 汚れていれば生理食塩水か牛乳でそっとすすぐ
- 保存方法:歯を乾燥させてはいけない。以下の順で保存する
- 最善:元の位置(抜けた歯槽窩)に戻す(飲み込まない注意)
- 次善:牛乳に浸す(歯根膜細胞を生かせる)
- 緊急:唾液(口の中に入れておく)
- 最後の手段:水(30分以内に受診できる場合)
- 30分以内に歯科医院へ急ぐ:1時間以内に再植すると成功率が高い傾向がある
歯が折れた・欠けた場合
エナメル質のみの破折(軽度)
欠けた部分が小さく、見た目以外に症状がない場合は緊急性は低いですが、欠けた断片があれば持参してください。コンポジットレジン(樹脂)で修復できることが多い傾向があります。
象牙質まで達する破折(中度)
冷たいもの・空気でしみる場合は象牙質が露出している可能性があります。できるだけ早めに受診してください。欠けた破片があれば持参すると接着できることがあります。
歯髄まで達する破折(重度)・神経が露出
強い痛み・出血がある場合は歯髄(神経)が露出している可能性があります。すぐに受診してください。根管治療が必要になる可能性があります。
歯根破折
外傷後に痛みが続く・歯がぐらつく場合は歯根が割れている可能性があります。レントゲン・CTで評価が必要です。破折の位置によっては抜歯が必要になることがあります。
歯がぐらついた(亜脱臼)場合
強い衝撃で歯がぐらついているが抜けていない状態です。歯周組織(歯根膜・歯槽骨)の損傷が起きている可能性があります。すぐに歯科医院を受診してください。固定処置・経過観察が必要になることが多い傾向があります。
乳歯の外傷について
乳歯が完全に抜けた場合は、原則として再植は行いません(乳歯の根が永久歯の発育に影響を与える可能性があるため)。ただし乳歯が内側・外側にずれた・押し込まれた場合は、永久歯への影響があることがあるため、すぐに歯科医院を受診してください。
スポーツ中の歯の外傷予防
マウスガード(スポーツ用マウスピース)の装着は、歯・顎への衝撃を大幅に軽減し、外傷の予防に有効です。スポーツをされる方、特に格闘技・ラグビー・ホッケー・バスケットボールなどのコンタクトスポーツの方は、歯科医院でカスタムメイドのマウスガードを作製することをおすすめします。
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監修・執筆:中田雅昭(歯科医師/登録番号 第185106号)/昭和大学歯学部卒業(2019年)。一般歯科・予防歯科・補綴治療を中心に、保険診療から自由診療まで幅広く臨床経験を積む。一般歯科・予防歯科・補綴治療を中心に、保険診療から自由診療まで幅広く臨床経験を積む。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個人差があります。歯の外傷が起きた場合は速やかに歯科医院を受診してください。
歯の外傷:保険適用と費用の目安
歯の外傷は多くの場合、保険適用で治療できます。症状・対応別の費用目安をまとめました。
| 外傷の種類 | 主な治療 | 保険適用 | 患者負担目安 |
|---|---|---|---|
| 完全脱臼(歯が抜けた) | 再植処置 | ✅ | ¥2,000〜¥5,000 |
| エナメル質のみの破折 | レジン修復 | ✅ | ¥1,000〜¥3,000 |
| 象牙質まで破折 | 覆髄+冠修復 | ✅ | ¥3,000〜¥10,000 |
| 神経まで達する破折 | 根管治療+冠 | ✅ | ¥8,000〜¥25,000 |
| 歯根破折(抜歯適応) | 抜歯→インプラント等 | 抜歯は✅/補綴は△ | ¥3,000〜(インプラントは別途) |
⚠️ 交通事故・スポーツ事故の場合は別途補償がある場合も
交通事故の場合は自賠責保険や相手方の保険が適用されることがあります。スポーツ中の事故なら学校・スポーツクラブのスポーツ保険が使えるケースも。受診時に事情を伝えましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 抜けた歯を保存する適切な液体は何ですか?
最も理想的なのは「歯の保存液(ティースキーパーネオ)」ですが、一般家庭にはありません。手軽に入手できる順に:生理食塩水 > 牛乳 > 口内(舌の下に保持)。水道水は浸透圧が低く細胞を破壊するためNG。乾燥した状態でのまま放置も絶対にNGです。
Q. 夜間・休日に歯が抜けたらどうすればいいですか?
牛乳か生理食塩水に保存しながら、夜間救急歯科や救急病院へ。多くの都道府県に「歯科救急情報センター」があり、電話対応してもらえます。地域の夜間救急歯科情報は事前に確認しておくことをおすすめします。
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歯の外傷を未然に防ぐために
特にスポーツや転倒のリスクがある方には、事前の予防が重要です。
- マウスガードの装着:ラグビー・ボクシング・格闘技・バスケットボール・サッカーなどのコンタクトスポーツでは必須。歯科医院でオーダーメイドのマウスガード(¥8,000〜¥25,000)を作製するとフィット感・保護力が高い
- 市販品との違い:ドラッグストアの市販品(¥1,000〜)は手軽ですが、保護力・装着感ともにオーダーメイドより劣ります
- 子どもの外遊び・スポーツ:永久歯が生えてきた6〜12歳は特に外傷リスクが高い時期。スポーツ時のマウスガード着用を検討してください


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